NEMO Equipmentとは
NEMO Equipment(ニーモイクイップメント、以降、”NEMO”)はカム・ブレンシンガーという人物によって立ち上げられた。
彼はRIDS(Rhode Island School of Design)を卒業して3日後の2002年4月24日、NEMOを立ち上げた。
”NEMO”というブランド名の由来は(New England MOuntain Equipment)という略称であり、ニューイングランドのルーツと故郷へのオマージュであり、ジュール・ヴェルヌのSF小説(海底2万マイル)に登場するキャプテン・ニモにちなんだものでもある。
カム・ブレンシンガーはニューハンプシャー州ナシュアの古い紡績工場を自らの手でリノベーションして仲間のデザイナーやエンジニアと一緒に操業を開始した。その2年後、NEMOは瞬く間にそのデザインと革新性で数々の賞を受賞するようになった。
NEMOは、2005年のISPO(ヨーロッパ最大のスポーツ/アウトドア見本市) Brand New Awardの最優秀受賞者であり、TIME誌とポピュラー・サイエンス誌ではその年の発明品ベスト100の1つに選ばれた。このように数々の賞を受賞し、その勢いはそれ以来、加速し続けている。
スマートかつ独創的にデザインされたギアは、「全ての人に忘れられないアドベンチャーの実現を可能にする」という信念を積極的に実践し続けている。
ミーティングルームに貼られたステッカーは、同社の理念である “Design Like You Give a Damn(心惹かれるデザイン)”を表現している。
2009年に日本に初上陸。15年経った現在でも革新的なプロダクトを製造し続けている。
NEMOの有名プロダクト
代表的なものとしては以下が挙げられる。
初期のテント、「モルフォAR」

モルフォARはNEMOがコンシューマ向けに製造・販売した初期のテントだ。
特徴として、天頂部にエアチューブを備えており、ポールを利用することなくテントの剛性を確保している点がある。
軽量コンパクトでありながら寝心地抜群の「フィッロ」

Fillo(フィッロ)は非常にコンパクトになるポータブル枕だ。
管理人も初期のフィッロを2024年現在でも愛用しているが非常に素晴らしいプロダクトだ。近日中にレビュー記事を作成する予定なので、楽しみにしていただきたい。
SEA TO SUMMITやTHERMAREST等でもピローは販売されているが、個人的にはNEMOのフィッロをおすすめしたい。
「TANI2P」等、日本市場を意識したモデル群

”TANI”は文字通り”谷”から名をとっている。TANI2Pは日本の高温多湿な気候を考慮し、日本市場を席巻することを意図した日本向けの戦略プロダクトだ。
管理人はまぁまぁなNEMOファンであり、当然TANI2Pも保有していた(2023年、加水分解により廃棄)。




「ノクターン」を祖とするスプーンシェイプシュラフ

非常に特徴的な形状である「スプーンシェイプ」は、シュラフ内部での寝返りをする際やテント内部であぐらをかく際に非常に適した形状だ。
ノクターンをはじめとするスプーンシェイプのシュラフは一度味わうとハマってしまうこと請け合いだ。
現在では様々なスプーンシェイプのシュラフが販売されている。
HELIO PRESSURE SHOWER

地面に置いたままポンプを足で踏むだけで、体を洗うのに十分な水圧を得ることができるポータブルシャワーだ。
それまではこのようなプロダクトが存在していなかったため、非常に革新的で世界中で高い評価を得ている。
NEMOの国内総代理店と修理保証体制
NEMOの国内総代理店はカセットガス等で有名なイワタニ・プリムス株式会社だ。
例年では在庫状況に応じて適宜セールを実施している。ただしオンラインでのセールというよりは付き合いがあるアウトドアショップに通常よりも安い価格で卸すことの方が傾向としては多い。
稀にアウトドアイベント等でイワタニ・プリムス株式会社が直販でセールを行うこともあるので、アウトドアギアの出店イベントや販売会等に足を運んでみると良いだろう。
修理保証体制としてはイワタニ・プリムス株式会社が行っているため、しっかりと整えられている。
Snowpeakの修理保証体制と比べると一段落ちるが(というよりはSnowpeakが異常)、十分なレベルだ。
よくあるポール破損なら1節2000円程度だ。ただし並行品に対してはそのような修理は行っていないため、アフターフォローを期待するのであればしっかりとしたショップで購入することをお勧めする。
NEMOの得意分野
テント、シュラフ、シュラフマット等、アウトドアの「衣食住」で言うと「住」の分野に強みを持つ。
北米圏で言うところの「バックカントリー」というジャンルをメインターゲットとしているが、近年ではウルトラライト指向のテントの製造が増えてきている。
同じようなジャンルで言うと「MSR」というブランドがあるが、MSRの方が登山寄りの性格を持つ。
MSRについてのブランド解説はいかをご確認いただきたい。
日本におけるキャンプとは、北米圏で言う「バックカントリー」が非常に近しいので、日本国内でのキャンプであればNEMOは非常におすすめできる選択肢だ。
NEMOはポールの設営方法に拘っているテントが多く、少ないポールで快適な居住性を提供する技術に長けている。
これは北米圏で言う「バックカントリー」を念頭に置いたプロダクトデザインをするため、ポールを減らして軽量化を達成するためなのであろう。
こういった点の上手さはひとえにデザイン学校を卒業したカム・ブレンシンガーだからこそ成しうる芸当だろう。

まとめ
NEMOは様々なプロダクトを世に送り出しているが、一貫して言えることは「革新性がある」という点だ。
NEMOのプロダクトはその分野の既存のデザインや使い方を踏襲することは無く、「どのようにしたら良いものができるか」を愚直に追求しているメーカーと言える。
日本国内ではすでにNEMOの名はかなりの知名度があり、NEMOの特徴的なロゴは非常にアイコニックな存在として知られている。
どちらかと言うと「ちょっとツウ向け」なメーカーではあるのだが、Colemanやmont-bell、ロゴス等のキャンプに飽きてしまった方、ちょっと高くても良いプロダクトが欲しい方には非常におすすめできるメーカーだ。