結論から言うと「ヘッドライトは良いものを買ったほうが良い」だ。
これからその理由について細かく説明をさせていただくとしよう。
ヘッドライトへのイメージ
「ヘッドライト」と聞くとどのようなイメージがあるだろうか。
もしかすると「頭にイカついライトを付けていてカッコ悪い」とか「使う機会が無いからハンディタイプのライトの方が良い」と思っている方もおられるかもしれない。
確かに未だにイカついヘッドライトはあるがそこまでのモノは不要だと筆者も考える。
しかし、この記事を読んで頂ければ、ヘッドライトがいかに優れたソリューションであるかが分かるハズである。
ヘッドライトはレジャー時に役に立つだけでなく、災害時にも非常に有益だ。
今回は元陸上自衛隊に所属していた筆者の経験も踏まえてヘッドライトについてご紹介させていただこうと思う。
用途ごとに異なるヘッドライト
ヘッドライトはその名前が示す通り、「頭に装着するライト」である。
一般的にはゴムバンドで装着するようになっており、サイズ調整も可能だ。
さて、このヘッドライトには実は用途ごとに様々な種類がある。代表的なものとしては以下の通りだ。
- 登山・キャンプ用
- 釣り用
- 洞窟用、設備工事用
- 消防用,軍用
ヘッドライトはその用途ごとに耐久性やバッテリー持ち、ヘッドライトの色合いや機能性等が異なる。
登山・キャンプ用ヘッドライト
登山・キャンプ用のヘッドライトには防水性と小型軽量なものが求められる。
特に登山用では、風雨に晒されながらの山行を行う場合もあり、防水性は非常に重要だ。
登山では1gでも軽量であることが求められるため、その点でも小型軽量というのも非常に重要なファクターだ。
一方、ヘッドライトに求められる照度はそこまで高いものは求められないことが多い。照度が高すぎると同行者の視界を遮ってしまうこともあるためだ。
釣り用ヘッドライト
釣り用のヘッドライトでは、十分な防水性と魚に気付かれない赤色の光を備えているものが多い。
赤色とは、通常のヘッドライトの白色の光と比べて海中からは気付かれにくいのだ(深海の魚に赤系の体皮を有するものも同じ理由だ)。
洞窟用、設備工事用ヘッドライト
洞窟用、設備工事用のヘッドライトでは、軽量性よりも防水性と非常に明るい照度、頑丈さが求められる。
洞窟探検ではヘッドライトをぶつける可能性も多々あるが、それでヘッドライトが破損してしまうと重要な光源が失われてしまう。
そのため、ヘッドライトの本体が非常に眼鏡に作られており、その分重量があるモデルが多い。
消防用、軍用ヘッドライト
消防用、軍用ヘッドライトは洞窟用、設備工事用ヘッドライトの発展型みたいな位置づけだ。
ただし、一定の軽量性も実現されており、他のどのヘッドライトよりもハイスペックなモデルが多い。
ヘッドライトのメリット・デメリット
ここではヘッドライトのメリットとデメリットを紹介する。
ヘッドライトのメリット
ヘッドライトのメリットとしては以下のようなものがある。
①両手がフリーになる
ヘッドライトの一番のメリットだ。
「頭にライトをつけるのは格好悪い」という方もいるかもしれないが、両手がフリーになることができるのは莫大なメリットである。
例えば、キャンプ場の夜は想像以上に暗い。キャンプ場の地面には木の根や轍(わだち)等も存在し足元がおぼつかないことも多いのだ。そのため、明かりが必要ということはお分かりかと思う。
キャンプ場でキャンプをしているとスマホのライトやハンディライトでキャンプ場を往来する方をお見かけすることが多い。
ただ、この状態であると片手が塞がってしまい、万が一転倒した場合に両手をつくことができない。今日のスマホは10万以上することも多いが、もし片手にスマホを持って転倒した際にとっさのことでスマホを手放してしまったりするとスマホが破損するリスクもある。
他にもトイレの中で片手で常時ライトを持つ、ということができないケースもある。キャンプ場にはポリエチレン製の仮設トイレも多いが、仮設トイレの中にはスマホやライトをおけるような棚は存在しない。結果的に片手は常にライトを持つことになり、排泄がしにくい。仮にどこかしらに置こうにも仮設トイレの床に滑って落ちる、ということも存分に考えられる(スマホがトイレの床に落ちるのは個人的には勘弁してほしい)。
ヘッドライトを使うことで、このような惨事を回避することができる。
②視線移動だけで照らせる
第2のメリットだ。
ハンディライトやスマホで周囲を照らしたい場合、当然だがその照らしたい方向に明かりを照射する必要がある。
ヘッドライトの場合は視線移動しさえすれば良いだけだ。このメリットは実際に体感していただくとわかるがかなり大きい。
人間は視覚情報が9割とも言われる。
例えばキャンプ場内で物音がした時にその方向が見たいと思った時、人間はまずその方向に視線を向ける。その後ハンディライトやスマホのライト等を照らすという2段階の手順となる。
ヘッドライトの場合、この手順は1段階のみになる。なぜなら頭に固定しているからだ。視線移動を同時に明かりを照らすことになるため、迅速に周囲を確認することができる。
ヘッドライトのデメリット
①複数人で行動する時には眩しさを感じさせてしまうことがある
ヘッドライトを利用するのが周囲に自分のみ、という完全なソロキャンプであれば問題ないが、複数人でキャンプをする場合、ヘッドライトを常時点灯していると会話の際などに相手が眩しさを感じることがある。
ヘッドライトを利用しながら複数人でキャンプを行う場合は、たとえばヘッドライトの向きを下向きにする、等複数人でキャンプを行う際には留意するのがマナーだ。
代表的なヘッドライトメーカー5選
代表的なヘッドライトメーカーとしては以下のようなメーカーが存在する。
ペツル(PETZL)
1968年に洞窟冒険家であるフェルナン・ペツルによって設立さたフランス発祥のメーカー。
元々の出自から、洞窟探検での使用に耐えられるヘッドライトが多い。
具体的な特徴としては、洞窟内での使用に耐えられる防水性、厚手のグローブでも使用できるような大きめのボタン等だ。
ブラックダイヤモンド(BlackDiamond)
1960年代に活躍したイヴォン・シュイナード(有名なアウトドアブランドであるPatagoniaの創設者でもあります)が設立したシュイナードイクイップメント社を引き継ぎ、クライマーによるクライマーのためのメーカーとして1989年にアメリカで設立された。
具体的な特徴としては先進技術を多様した製品作り、ニーズ毎の細かな製品ラインナップだ。
レッドレンザー(LED LENSER)
1993年にハラルド・オポルカとライナー・オポルカが、ドイツ ゾーリンゲンでレッドレンザーの基となる会社を創業。
具体的な特徴としては質実剛健な作り、長寿命バッテリーだ。
プリンストンテック(Prinston tec)
1975年にアメリカで創業されたメーカー。
元々はライト部門はダイビングライトからはじまって、おりそこで培った防水技術がアメリカ本国で多くのユーザーから好評を博し、その他部門のアウトドアギアや、レスキューや軍などの専用商品が誕生している。
具体的な特徴としては非常に高い防水性、軍用に特化したラインナップが豊富というところだ。
ジェントス(GENTOS)
1978年に日本で創業。元々はLED LENSERの国内販売代理店であった。
代理店契約が終了した後に、自社で開発したヘッドライトを販売するメーカーとなる。
具体的な特徴としては国内メーカーならでは品質保証体制、日本国内の環境に適した製品作りだ。
おすすめのヘッドライト
スペック重視のヘッドライト
①LED LENSER MH3
単3電池×1本で使用できる、シンプル操作のヘッドライトであり、最大光束200ルーメンの性能を発揮することができる。
複雑な機能を削ぎ落し、弱→強点灯の2モードで操作もシンプル。ワンタッチでライト本体をベースプレートから取り外し、ハンドライトとしても使用可能。また、本体裏のクリップで、ザックやウエアへ装着する補助ライトとしても使用可能だ。
②GENTOS VA-05D
単4電池×2本で使用できるヘッドライト。最大光束300ルーメンの性能を発揮することができる。
高い耐塵・防水性能を有しており(IP66・IP67)、1Mからの落下試験にもクリアしたタフネスボディ。
値段も手頃であり、国内製品が好きな方にはおすすめしたい1点だ。
③Prinston tec Viss Tactical
単4電池×3本で使用できるヘッドライト。最大光束は420ルーメンを発揮。
メインのライトは調光可能であり、近接作業のために低ルーメンの照明としての利用することが可能。
また、赤、青、緑、赤外線の4色のLEDを搭載しており、夜間行動時等を想定したヘッドライトになっている。すべてのモード機能とカスタマイズは、ライトの上部にある大きくて見つけやすいプッシュボタンで行えるため、グローブを付けている場合でも高い操作性を有する。
この最強ヘッドライト、当然のように防塵・防水性能も最高ランクである。
さすがのミリタリースペックとなっており、値段もそれなりに高価ではあるが、長く使えるヘッドライトだ。

④PETZL TIKKA CORE
単3電池×3本、または充電式のバッテリーである「コア」のどちらかを利用可能なヘッドライトだ。
電池とバッテリーという2つのソースを利用可能なため、長期間の駆動や災害時にも利用がしやすい。
暗闇の中でランプの位置を確認するのに便利な蓄光式リフレクター、夜間に視認性を保つリフレクター付きヘッドバンド、自分や周囲の人の目を眩ませることなく視界を保つ赤色光を備えており、PETZLを代表するヘッドライトだ。
⑤BlackDiamond Storm500
充電式のバッテリーを搭載したヘッドライト。最大光束は脅威の500ルーメン。
近接・遠距離モードを搭載し、ディミング機能(増/減光)、ストロボ機能、ロックモード等の先進的な機能も搭載している。赤・緑・青の3色のLEDも搭載しており、機能盛りだくさんだ。
なお、防塵・防水性能も最高ランクである。
とにかく明るいヘッドライトをお探しならこのヘッドライトをおすすめしたい。
奥様を納得させる方法
さて、奥様がおられる読者の皆様の関心事としては、大蔵省がOKを出すかどうか、だと思う(表現で年齢がバレる…)。
ヘッドライトは3,000円~15,000円前後と値段の幅も広いため、ヘッドライトを買おうと思った際にでも「もっと安いもので良いんじゃないの?」等といったご指摘をいただくことがあると思う(私だけ?)。
そういった場合を考慮して、個人的によく使っている稟議内容を共有しようと思う笑
ハンディライトよりもヘッドライトを
上記に記載した通り、ハンディライトよりもヘッドライトの方が圧倒的に使いやすい。
懐中電灯を用意するくらいであるなら多少コストが上がるがヘッドライトを家族の人数分用意した方が安全ということを全力でアピールする。
防災用途としても非常に有益
私は東日本大震災時に陸上自衛隊員として災害派遣されていた。
その際に感じたこととして、「ヘッドライトは自宅の中でも使うことがある」ということだ。
家屋が倒壊し、家中のものが散乱している中でヘッドライトがあると大地震が発生した際でも両手をフリーにしながらも光源を手に入れられる。
無論、避難先でも利用が可能なアイテムであるため、防災用途として購入しつつ、その性能を確認するために時々キャンプに使う、というような考え方を訴求すると良い。
まとめ
少々長かったが如何だっただろうか。
ヘッドライトは意外と付けたくないという方も多いのだが、個人的にはヘッドライトは絶対にアウトドアシーンに用意しておいた方が良いと思っているアイテムだ。
ヘッドライトマニアを自称する私の場合は、ベッド横に1つ、車のダッシュボードに1つ、EDCポーチに1つ、玄関前に1つ…といったかたちで家中に10個くらいヘッドライトが散らばっている。
ヘッドライトの有用性に目覚めるとヘッドライトってちょくちょく買ってしまう、というのが最大のデメリットかもしれない。笑


