MYSTERYRANCHの”HIP MONKEY2″の徹底レビュー!HIP MONKEY、HIP MONKEY Xとの違いもご紹介

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MYSTERY RANCH(ミステリーランチ)のHIP MONKEY2というアイテムをご存知だろうか。

今回はこのHIP MONKEY 2を中心に、HIP MONKEYとHIP MONKEY Xを含めて比較レビューをしようと思う。

MYSTERY RANCHとは

MYSTERY RANCH(ミステリーランチ)とはアメリカ合衆国のモンタナ州ボーズマンという地で2000年に立ち上げられたブランドだ。

創業者であるデイナ・グリーソンとレネー・シペルベイカーは元々「Dana Design(デイナデザイン)」というブランドを1985年に立ち上げていたが、発展解消するかたちでMYSTERY RANCHを設立した(正確には、デイナデザインの評価が高まる中、広いマーケットへ進出する為の資本力と急成長する会社の屋台骨を支える為1995年に「K2」という企業の資本を受け入れたが、その結果理想とするバックパック造りができなくてMYSTERY RANCHを創立した)。

ちなみにその前はKletterwerks(クレッターワークス)というブランドを1975年に設立している。

ブランド名としてはこのように3回変わってきたわけだが、最初に設立された当初からプロフェッショナルユースに耐えられる頑丈さ、その用途に応じた便利な機能を搭載したバックパック造りとしては一貫しる。

MYSTERY RANCHというブランドになって4年程経過したある日、アメリカ海軍特殊部隊である「ネイビーシールズ」からバックパック提供の打診を受け、2011年にはアメリカ海兵隊にも正式採用が決定。

それ以降、アメリカはもとよりイギリス、オーストラリア、カナダなどの特殊部隊に採用されることになり、現在に至っている。

このような経緯から、MYSTERY RANCHは質実剛健なバックパック造りをするメーカーであり、ミリタリーシーンからのフィードバックを受けて進化し続けるブランドなのだ。

より詳しく知りたい方向けに、ミステリーランチについてアツく語った記事もあるので、ご興味があれば是非ご確認いただきたい。

HIP MONKEYシリーズについて

HIP MONKEYシリーズには以下の3種類がある。

  • HIP MONKEY
  • HIP MONKEY 2
  • HIP MONKEY X

2024年現在、上記の3種類のHIP MONKEYが同時に販売されている。

普通であれば最新のもの以外は終売になってカタログ落ちをすると思うが、敢えてMYSTERY RANCH が3シリーズそれぞれを現行販売しているということは、つまり、MYSTERY RANCHとしてもHIP MONKEYシリーズには差別化要素を持たせており、それぞれの違いも明確にある、というメッセージがあるわけだ。

HIP MONKEYシリーズの違い一覧表

さて、それではそれぞれのHIP MONKEYの違いを確認してみよう。

HIP MONKEYHIP MONKEY 2HIP MONKEY X
重量0.41kg0.4kg0.41kg
容量8L8L8L
3辺サイズH20cm×W33cm×D20cmH20cm×W33cm×D20cmH20cm×W33cm×D20cm
製造国USAベトナムUSA
素材500D CORDURA® fabric500D CORDURA® fabricX-Pac® VX-21
値段20,900 (税込)8,800 (税込)24,200 (税込)
ジッパーYKK® zipperYKK® zipperYKK® zipper

さて、ぱっと比較してお分かりの通り、HIP MONKEYシリーズには微妙な違いがあるのがお分かりになるであろう。

大きな違いは、製造国、素材、値段の3種類だ。しかしこの違いが決定的な違いになる。

そのため、MYSTERY RANCHは未だに3種類の販売を行っているのだ。

なお、HIP MONKEY Xは日本限定モデルである点にも注目いただきたい。

HIP MONKEYについて

HIP MONKEYの画像。メーカー公式HPより。

一番販売歴が長いのがこちらのHIP MONKEYだ。

MYSTERY RANCHの本社工場があるアメリカはモンタナ州ボーズマンという地で今なお職人が一点一点丁寧に造り上げている一品だ。

HIP MONKEY 2と画像を見比べていただきたいのだが、実はロゴの部分に”Bozeman MT USA”と記載がある。これこそがメインドインUSAを示すものであり、MYSTERY RANCHファンの間では一定の信者(やはりMYSTERY RANCHの本社工場で生産されたMYSTERY RANCH製品を使いたいというユーザー)からすると非常に羨ましがられるポイントだ。

素材としてはMYSTERY RANCHおなじみの500デニールのコーデュラを利用しており、丈夫さは折り紙付きだ。

丈夫さを売りにしている他社の大型バックパックであってもせいぜい300デニール前後のコーデュラを利用している中、たかだか8リットル程度のウェストバックに500デニールのコーデュラを利用するあたりにMYSTERY RANCH魂を感じることができる。

金額的には本社工場製造のため、どうしても高くなってしまい、2万円超だ。

だがMYSTERY RANCHファンからの羨望の眼差しを受けることは間違いない名品だ。

HIP MONKEY 2について

HIP MONKEY2の画像。メーカー公式HPより。

HIP MONKEY 2はHIP MONKEYと製造国が異なり、ベトナム工場で製造されている。

製造工場は当然MYSTERY RANCHのハードボイルド過ぎる製造方法を忠実に守っており、製品のクオリティとしてHIP MONKEYとの差異があるわけではない。単純に人件費や輸入距離の長短の結果としてHIP MONKEYと金額が変わっているようなイメージで間違いない。

HIP MONKEY 2についてはこの後に詳しくレビューを行う。

HIP MONKEY Xについて

HIP MONKEY Xの画像。メーカー公式HPより。

HIP MONKEYとHIP MONKEY 2は500デニールのコーデュラを生地に使用していたが、こちらのHIP MONKEY Xについては”X-Pac® VX-21”という生地を利用していることが一番の大きな違いだ。

X-PACは優れた防水性能と高い強度、そして高い耐久性を備えたアウトドア用品用ファブリックだ。

バックパックなど重量物や大量の荷物を詰め込んで屋外を動き回るような過酷な用途に広く用いられており、X-PACを生地として利用しているザックパックをご覧になったことがある方も多いのではないだろうか。

この生地は紫外線などの厳しい環境条件となる洋上で風による大きな力を受けながらの使用に耐えることが要求されるセールクロスのノウハウを応用して開発された製品であり、役割の異なる4層の生地をラミネートで接合した構造になっている。

中でもVX-21は、高性能な生地として認知されており、210デニールの生地厚でありながら、良好な防水性を備えていることがポイントだ。

また、HIP MONKEY Xについてはアメリカの本社工場で製造しており、HIP MONKEYと同様にタグに”Bozeman MT USA”の記載がある。

また、HIP MONKEY XにはHIP MONKEY、HIP MONKEY 2にはない特徴がある。

その特徴が以下だ。

  • 腰に巻いても肩にかけても使用できるよう特別にデザインされたウエストベルト
  • 使用しない時はウエストベルトを収納可能
  • ハンドル付近のベルクロループでバイクのハンドルバーに取り付け可能

HIP MONKEY、HIP MONKEY 2のウェストベルトは幅広のものが採用されているが、実際のところHIP MONKEYはほとんどの方が肩に斜めがけをして使うことが多いように思う。

そのような際に、幅広のベルトは体格によっては使い続けると落ち着きが悪いと感じる方もいるようだ。

HIP MONKEY Xでは日本人の体格に合わせてウェストベルトの幅が最適化された。

また、HIP MONKEY Xの場合は上部にあるハンドルを掴んでカバンのように持ち歩くことも想定し、ウェストベルトを背面に収納可能という特徴も有している。

最後の点が非常にユニークなのだが、ベルクロループが備え付けられており、それを利用することで自転車・バイクツーリング時にハンドルに固定出来るような形状になっている。

つまり、HIP MONKEY Xは日本人の体格に合わせたツーリング向きなウェストバックなのだ。

個人的なおすすめはHIP MONKEY 2

さて、ここまで簡単ではあるがHIP MONKEYの3シリーズをご紹介させていただいた。

その中でも個人的におすすめなのはHIP MONKEY 2だ。

理由は以下の点である。

  • USA製に拘っていない(USA製も、ベトナム製も使ってきたが差異を感じられない)
  • 500デニールのコーデュラ生地には抜群の信頼を寄せている
  • 何よりも値段がHIP MONKEYの半分以下!

管理人もMYSTERY RANCHファン(一部ではMYSTERY RANCHファンのことを”ランチャー”と呼ぶこともある)ではあるが、熱狂的にUSA製に拘っていないし、そもそもベトナム製造であってもしっかりとした販売店で購入すればアフターサポートは当然受けられる。

それよりも値段がHIP MONKEYの半額以下であり、それでいて500デニールのコーデュラ生地を採用しているということの方に価値を見出している。

なお、HIP MONKEY Xについては2024年1月現在実店舗で確認をしていないが、個人的には購入予定はない。

X-PACはたしかに頑丈さと軽量さ、防水性をバランス良く有しているのだが、それでも加水分解をするというのが個人的なX-PACへのイメージだ。特に折ジワ等から加水分解が発生しやすい印象で、X-PACを利用したザックパックでも同様の事象が発生した。

500デニールのコーデュラでも理論上、加水分解は起きる。

しかしながら管理人のMYSTERY RANCHたちのうち、加水分解しているアイテムはまだ一つもない、ということのが実際だ。

そのような経緯から、コーデュラを利用した生地の方が安心できる、というのがHIP MONKEY Xを購入する予定がない理由だ。

管理人おすすめ!HIP MONKEY 2のレビュー

さて、ここまでで管理人的にはHIP MONKEY 2をおすすめしたい理由が分かっていただけたのではないだろうか。

ここでは実際にどれくらいの荷物が入るのかという点も含めてレビューをする。

外観

管理人私物のMYSTERY RANCH HIP MONKEY 2

管理人が使用しているHIP MONKEY 2は”Splash”という青みが強い生地の色だ。2023年に廃盤になってしまったアーバンアサルトというバックパック等でも同じ色味のものがあったものだ。


本体上部には大きなハンドルが付いている。

ご覧の通り、本体上部には非常に大きなハンドルが付いている。

このハンドルのお陰で車にHIP MONKEY 2を車内に放り投げても簡単に掴めるし、このハンドルにカラビナを取り付けて他のアイテムを取り付けたり、HIP MONKEY 2を固定することができる。


メイン気室のジッパー部分の拡大。耐久性が高い。

本体背面側のクッション。かなり分厚い。

本体の背面側のクッションは非常に分厚く、おそらくアーバンアサルトの背面クッションと同様のものを利用していたと思われる。

ウェストバッグとしては破格の分厚さであり、このようなところからもMYSTERY RANCHの哲学を感じられる。


ベルトのバックル。大型過ぎる。

ベルトのバックルの画像だ。

非常に大きく、脱着には力がいる。

なお、このバックルは流石にデカ過ぎたのか、hi MONKEY Xでは小型のバックルが採用されている。


管理人のカスタム

このHIP MONKEY 2の唯一の不満点が、バックルのベルトの噛み方だ。

ベルトへの噛み込みが弱く、斜めがけでHIP MONKEY 2を利用する時にはバックルが緩み、ベルトが伸びることが多々あった。

そこで管理人はYKKのベルトアジャスター(LA50S プラスチック アジャスター 黒 50mm巾用)をベルトの中程2箇所に装着している。

ベルトアジャスター装着後はベルトが緩むことも無くなり、ストレスフリーだ。


フロントポケットはコンプレッションをかけて内容量に応じてコンパクトにすることができる。

コンプレッションベルト(最大コンプレッション時)

コンプレッションベルトは背面パッド側で固定されており、フロントポケットまでそのコンプレッションベルトが周り込んでいる構成だ。

コンプレッションベルト(コンプレッションフリー時)

このコンプレッションベルトのお陰で、荷物量に左右されずに快適に使うことができる。

内部

次に内部の構造を見ていこう。

メイン気室を見下ろす。深さがイメージできるだろうか

メイン気室の大きさが伝わるだろうか。

非常に広大な空間であり、このあとに実際の収納例もお見せするが、ウェストバッグとしては途方もない大きさである。

460mlのペットボトルが遠く感じる。

底面に460mlのペットボトルを置いてみた。横のサイズに余裕があるのはもちろんだが、そもそも460mlのペットボトルが小さく見えないだろうか。

小さい牛乳瓶なら6本入るとMYSTERY RANCH自身も公言しているが、嘘ではない。


検品ラベル

メイン気室の側面には検品ラベルが貼られている。

管理人のHIP MONKEY 2は2020年10月26日生まれらしい。


メイン気室の背面側にもジッパー付きポケットがある

メイン気室の背面側にもジッパー付きポケットが用意されている。

マチも確保しており、この手のポケットの中ではかなり色々な物が入る。

メイン気室内部のポケットにも当たり前のYKKジッパー

このような負荷が掛らず、土埃を噛む心配も少ない場所にはジッパーを使ったとしても安物や小型のものを利用するのがセオリー。

しかしそこはMYSTERY RANCH、当然のYKKジッパーだ。

そこに痺れて憧れないだろうか?(笑)


フロントポケット内部。マチ付き。

フロントポケットもそれなりの収納力がある。

管理人の場合、キーケース、香水、リップクリーム、ティッシュ、タバコ等をこのポケットに収めている。

キークリップ付き(管理人は使わないが…)

フロントポケット内部にはキークリップが付属している。

鍵を取付けたり、小型のライト等を取付けることで使い勝手の幅が広がるだろう。

管理人の使用シーン

HIP MONKEY 2の使用シーンだが、基本的には街中に出る時や、1日中屋外にいる時等に使用することが多い。

例えば以下のようなシーンだ。

  • 郊外のショッピングモール等、県境を越える1日以内の移動時
  • 友人との飲み会時

なお、日頃の買い物等については、ミステリーランチのブーティーバッグか、アークテリクスのマンティスとSea To Summitのショッピングバックのコンビかを使用することが多い。

ブーティーバッグについては以下で解説している。

管理人のパッキング例

早速だが管理人のパッキング例を見ていただこう。

ウェストバッグに入れる量ではないことは間違いない

ウェストバッグとしては破格の収納力であるのがお分かりになるだろうか。

内容物をリスト化すると以下だ。

  • 長財布
  • 小銭入れ
  • キーケース
  • Bluetoothイヤホン
  • ストッパ
  • リップクリーム
  • 香水(アトマイザー)
  • ティッシュ
  • 予備のマスク
  • ファーストエイドキット
  • EDC(オレンジ色のゾイドバックSに入っている)

いかに大量の荷物が入るかイメージできただろうか?

さらっとリストにも記載したが同じMYSTERY RANCHのゾイドバックも非常に優れたアイテムなのでそのうち記事にしようと思う。

まとめ(丸4年実際に使ってみて)

HIP MONKEYと名を冠する3種類の微妙な違いと、管理人お気に入りのHIP MONKEY 2についてのレビューはいかがであっただろうか。

丸3年使っていて思うことは、「懐が深いアイテムだ」ということだ。

コンプレッションベルトのお陰で荷物が多い時も少ない時も快適に使えるし、雨の日でも多少の雨は内部に染み込まない。これこそがHIP MONKEY 2の素晴らしい点だと思っている。

このような使い勝手の良いプロダクトが1万円でお釣りが出るというのだから、MYSTERY RANCHもすごい思い切ったなぁ、と勝手に驚いていたりする。笑

管理人は他にもMYSTERY RANCH製品を10種類程運用しているので、徐々にご紹介できればと思う。

良いMYSTERY RANCHライフを!

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