2024年1月1日に起こった能登半島地震からはや1ヶ月以上経過した。
当たり前のことではあるが、徐々に報道頻度が低減する中でも、変わらず被災地の方々に於かれては避難生活を余儀なくされている状況である。
あらためて被災地の1日も早い復興を祈念するとともに、被害に遭われた方々の御冥福とお見舞いを申し上げる。
今回はタイトルにもある通り、防災バッグと非常用持ち出し袋の違いについてまとめておこうと思う。
防災バッグと非常用持ち出し袋の違いと定義
人によってはほぼ同じように感じられるかもしれないが、この2つは明確に異なる。
震災後数日が経過した後に自宅に取りに戻るもので、避難所生活で利用するのに有益な物品をまとめたもの
震災直後に自宅から出る際に持ち出すもので、避難所までの道程で利用するのに有益な物品をまとめたもの
明確な用語の定義が曖昧ではあるが、上記のような違いが存在する。
防災バッグに必要なもの
防災バッグに必要なものは大まかなに以下だ。
- 食料、飲料類
- 消耗品類
- 衣類
- 備品の一部
「備品の一部とは何だ!?」という話だが、具体的には以下のようなものだ。
- 火器類
- クッカー
- 小型ランタン
なお、上記のもの含めて以下の記事に詳しくまとめておいたので、ご参考にしていただきたい。
防災バッグについて
避難所生活時のQOLを向上させるための物品等を防災バッグに詰め込んでおいた方が良いというのは上記の通りであるが、それらを入れる防災バッグとして具体的にどのようなものが適当かを補足しておきたい。
防災バッグはかなりの物量を入れるため、基本的には大容量のバッグが良い。
スーツケースやボストンバッグで代用したいところであるが、基本的にはリュック(バックパック)が良い。
まだ交通インフラが整っていない中で防災バッグを取りに一時自宅に戻ることを想定すると、とっさの際に両手はフリーにしておきたいためだ。
スーツケースでは路盤が傷んで転がせないケースがあるし、ボストンバッグだと片手が塞がってしまう。
以上の理由から防災バッグはリュック一択だ。
防災バッグの容量目安
防災バッグの容量としては前述の通りかなりの容量になるため、最低でも40リットル程度以上のものが望ましい。
家族構成毎によって異なる部分もあるので、以下に簡単に目安としてまとめておく。
- 一人暮らし(独身) : 50リットル
- 二人暮らし(夫婦) : 50リットル × 2 = 100リットル
- 三人暮らし(夫婦+子供一人) : 60リットル × 2 = 120リットル
- 四人暮らし(夫婦+子供二人) : 70リットル × 2 = 140リットル
また、防災バッグには余裕を持たせた方が良い。例えば移動途中に支援品等を追加でもらうというケースも存在するのだが、そのような時に防災バッグに余裕がないと防災バッグに入らないからだ。
上記の点や家族構成を考慮し、以下のような容量が個人的におすすめだ。
- 一人暮らし(独身) : 55リットル
- 二人暮らし(夫婦) : 55リットル × 2 = 110リットル
- 三人暮らし(夫婦+子供一人) : 65リットル × 2 = 130リットル
- 四人暮らし(夫婦+子供二人) : 75リットル × 2 = 150リットル
上記の通りであるが、簡単に言ってしまえば「成人であれば一人ずつ、もしくは子供の分も含めて背負う」ということだ。
また、防災バッグのサイズで迷ったら容量が大きいものをおすすめする。大は小を兼ねるためだ。
大容量のバッグを上記のような数分だけ揃えるためには、当然だがコスパも非常に重要だ。
防災バッグのおすすめアイテム
マーディングトップ バックパック 75L
2024年現在コスパ最強と管理人が考えているリュックだ。
モールシステムという米軍が定めた標準規格のようなものがあり、モールシステムに対応したものであれば更に外付けすることが可能になっている。
また、それ以外にもカラビナやロープ等を掛けることも出来るため、拡張性が非常に高い。
MYSTERY RANCH TERRAFRAME65
管理人が所有するザックであり、普段から登山やキャンプの際に利用しているものだ。
防災バッグとしてのみでは購入するのに勇気がいる金額だが、自身の趣味と共存出来る場合はこのような大型ザックを購入するのもありだ。
管理人の場合は、通常時は防災バッグとして利用し、山行の時のみ中身を入れ替えて利用している。
非常用持ち出し袋に必要なもの
非常用持ち出し袋に必要なものをまとめると以下だ。
- ヘッドライト
- モバイルバッテリー
- ホイッスル
- ファーストエイドキット
- 行動食1日分程度
- 飲料1リットル程度
- 防災頭巾、ヘルメット類
- アルミブランケット
- グローブ、手袋類
防災バッグと比べるとかなり荷物量が小さくなる。
非常用持ち出し袋は、被災時に避難所まで安全に行動することを想定したアイテムが中心になるため、特に嵩張る食料や飲料が著しく減るのだ。
ちなみに、上記で記載しているアイテムの一部は、管理人の場合はEDCとして常に持ち歩いている。
詳細は以下にまとめているので、宜しければご確認いただきたい。
また、ファーストエイドキットについても以下にまとめているのでご参考にしていただきたい。
行動食、飲料のおすすめ
非常用持ち出し袋に敢えて行動食と飲料を入れている理由は、食事は精神衛生上非常に重要であるためだ。
食事をすることで気を紛らすことが出来るし、落ち着くことができる。
管理人は自衛官時代にどんなに冷たくても食事が楽しみだった、という原体験があることが非常用持ち出し袋に行動食と飲料を入れた理由だ。
さて、行動食、飲料としてのおすすめアイテムは以下だ。
えいようかん
言わずと知れた、長期保存が可能なようかんだ。甘めに作られており、カロリーも高い。
大きさも嵩張らないため、管理人は3個ほどを常時非常用持ち出し袋に入れている。
カロリーメイト
ただのカロリーメイトではなく、3年間の長期保存が可能なカロリーメイトだ。
長期保存が可能なバランス栄養食ということで、心強い食品だ。
長期保存用の水(パウチ)
飲料としてはパウチされているものをおすすめする。
一般的に備蓄用の水というのはペットボトルに入っているものが多いが、ペットボトルはそれなりに嵩張ってしまう。
非常用持ち出し袋はすぐに取り出して持っていける程度の荷物量が望ましいため、ペットボトルのものよりもこのようなパウチ型の方が非常用持ち出し袋の隙間に入れやすいのだ。
防災頭巾、ヘルメットについて
非常用持ち出し袋に入れておく、というよりは非常用持ち出し袋の隣に置いておいてすぐに使えることが望ましいが、防災頭巾やヘルメットは持っておいて損はない。
普段そのようなものを使う方はその重要性をよく理解されていると思うが、使わない方からすれば何故必要なのかがわかりにくいアイテムの代表格だったりする。
防災頭巾やヘルメットは勿論頭部を保護するために利用する。
被災時にはどうしてもグチャグチャになった足元に注意を払いながら移動するため、頭上への注意がいつも以上に疎かになる。
そのため、このような防災頭巾やヘルメットで最低限の頭部の保護が重要になってくるのだ。
防災頭巾
日本防炎協会という協会の認定品を利用することが望ましい。
この防災頭巾あ2.5mの高さから1kgの物を落とした時、50%以上の衝撃を吸収する能力を備えている。
後記するヘルメット系の方が保護性能は高いが、防災頭巾の方が良い、という方はこのアイテムをおすすめする。
ヘルメット
ヘルメットと言うと嵩張るイメージをお持ちの方もいるかも知れないが、このヘルメットは折りたたみ式だ。
折りたたんだ場合の厚みはなんと3cm。ここまで薄ければ自宅にも置けるはずだ。
ミドリ安全は自衛隊への官給品(半長靴等)を作っている会社でもあり、個人的には非常に信頼している。
補足
普段から自転車やバイクに乗られる方はヘルメットを持っているかと思う。
上記で紹介した防災頭巾やヘルメットとは異なり本来の用途ではないが自転車やバイク用のヘルメットを代用するのもアリだ。
特にバイク用のヘルメットに関してはそこら辺の防災ヘルメットよりも厳しい試験内容をパスしている可能性が高いため、(多少なりとも怪しいが笑)利用する価値はあると思う。
非常用持ち出し袋のバッグについて
上記でご紹介したようなアイテムを保管する非常用持ち出し袋についてだが、正直なんでも良い。
なるべくならご家庭にすでにある、使い慣れたバッグを利用した方が良い。
人間は不思議なもので、とっさの場合にはほとんどのものが視界から消えるものである。
そのような中、使い慣れたものであれば”目に入る”ことがあり、変に新しいバッグを購入して非常用持ち出し袋を作ってもその存在を忘れてしまったりするものだからだ。
容量的には10リットルもあれば上記で紹介したアイテムは入るので、大抵のバッグは容量的にも問題ない。
どうしてもこの際に非常用持ち出し袋を準備したい、ということであれば個人的には以下をおすすめしておく。
容量的にはかなりあるので、非常用持ち出し袋のキャパシティとしては大げさ過ぎが、管理人個人はこれを非常用持ち出し袋として日頃から用意している。
詳しくは以下に紹介しているので、ご確認いただきたい。
防災バッグと非常用持ち出し袋の違いを理解して適切な備えを
今回は防災バッグと非常用持ち出し袋の違いを述べ、それぞれにどのようなアイテムを含めるべきかをまとめた。
最近ではホームセンター等で防災用品の特設コーナーがあったりするが、それらの非常用持ち出し袋を見ても防災バッグに入れるものと非常用持ち出し袋に入れるものが混ざっていたりするケースをよく見かける。
災害の備えに絶対の正解は無いとは思うが、防災士等の講習を受けた元自衛官の身からすると、被災した瞬間には素早く安全を確保すべきであるし、避難所生活時のQOLを向上するためのアイテムも用意すべきであると感じている。
避難と避難所生活は状況が異なるため、それらの状況を包括的に満たすよりかは2つに分けた方が使い勝手が良い防災備蓄が出来ると思うので、何かご参考になることがあれば幸いだ。






